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2024年度(令和6年度) 千葉県公立高校入試問題 分析(英語)出題方針の分析

以前、

2024年度(令和6年度) 千葉県公立高校入試問題 分析(英語)」という記事を書いたのですが、そのまま放置してしまったので、今日はその続きを書きます。

 

 

 

 

さて、

千葉日報に今年(2024年・令和6年)の公立入試問題があるのですが、そこに出題方針なるものがありました。まずがそれを分析しておきたいとおもいその分析を書きます。出題方針についてはリンクを貼っておくので、本記事に興味のある人はまずそれを見ておくといいかもしれません。

(出題方針リンク;https://www.chibanippo.co.jp/pdf/english_policy2024.pdf )

 

説明しやすくなるように、以下にテキストでも引用します。

 

1  学習指導要領に基づき、英語の基礎的・基本的な知識及び技能 と、英語によるコミュニケ ーションにおける見方・考え方を働かせ、 理解したり表現したりする力を全領域にわたり身に付けているかを みることができるようにする。

『令和6年度「一般入学者選抜」 学力検査英語科出題方針』より

 

と、まずあります。

方針は全部で4つです。まず最初に、①「学習指導要領に基づき、英語の基礎的・基本的知識及び技能」と②「英語によるコミュニケ ーションにおける見方・考え方を働かせ、 理解したり表現したりする力」を③「全領域にわたり」「身についているかをみることができるようにする」とありますね。

 

ポイントは3つです。

 

①「学習指導要領に基づき、英語の基礎的・基本的知識及び技能」

②「英語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、 理解したり表現したりする力」

③「全領域にわたり」

この3つのポイントを読み解いていきたいと思います。

なんとなく入れた画像

①から、「英語の基礎的・基本的な知識・技能」を調べるよということですね。そして、どのような意味において基礎的、基本的なのかは学習指導要領によって決まるのでありますが、要は、簡単な知識問題も文法問題も出すぜということでしょう。つまり、だれでもとれる問題も出題されるということです。

 

しかし、一方で②では、「英語のコミュニケーション」における「思考力」「表現力」を確かめるのだとも言っています。ここで言う英語のコミュニケーションとは、対話に限らず、手紙やメールのやり取り、あるいは議論のようなものまで含まれると思われます。つまり、聞き取り、長文、英作文などは、そういったタイプのものを出題しますよと言っているようなものです。あとでも触れますが、実際に、今年の入試問題を見てもらうとわかると思いますが、そこかしこに対話文が入ってきています。

 

そして③でいうように「全領域にわたり」身についているかを見るのです。この場合での「領域」とは、この出題方針の続きを読めばわかりますが、いわゆる5領域のことです。つまり、「聞くこと」、「読むこと」、「話すこと[やりとり]」「話すこと[発表]」、「書くこと」の5つの領域のことです。要はバランスよく検査するぜってことです。

 

ここまででわかることは、千葉県の公立高校入試の英語の問題は、基礎基本的な問題も出題する一方で、英語によるコミュニケーションにおける思考力・表現力を測る問題も出題し、それは5領域(聞くこと、読むこと、話すこと(やりとり、発表)、書くこと)のすべてのエリアで確かめますよということです。

 

つまり、いろんな意味で万遍なく、出題されるということです。

AIの描いた風景

しかしながら、考えてもみてください。そもそもテストで測れる能力には、当然だが限界があります。ペーパーテストであるというだけで、すでに読む能力がほかの能力より重視されているとも言えますし、記述式の問題がある一方で、本当の意味でのスピーキングの問題が出てはいないわけですから、話す能力よりも書く能力がより大切になるのは言うまでもありません。

 

つまり、どんなに万遍なくやろうとしてもどうしても偏りが出てきてしまうということです。言い換えると特徴が出てきてしまうということです。

そして、今回のこの出題方針にもそのような傾向・特質が透けて見えます。お気づきの方もいるかもしれませんが、②で、「英語によるコミュニケーション」とあります。これは領域で言うところの「話すこと(やり取り)」に大きくかかわることです。もちろん、人が話すには、相手の話を「聞か」ねばならず、ペーパーテストなら「読む」能力も必須です。しかしながら、「コミュニケーション」という以上、やはり「話すこと(やり取り)」が最も重要な領域になっているようにしか思えません。

 

言い方を変えましょう。対話的な問題の重視。これが千葉県の公立高校入試での一番の特徴なんじゃないでしょうか。

 

実際、問題を見ても、わかるのですが「対話文」が相当に多いのです。

例えば、リスニングにはもちろん対話文入りまくりですし、大問の5番はすべて対話形式です。大問の6は2コマの漫画を見ての英作文問題ですが、これも対話形式です。大問の6(1)は、プレゼン(発表)の原稿を読ませたうえで、③でそれに関する対話文を読ませます。(2)はイベントのチラシを読み取る問題のように思わせて、①でそれに関する対話文が登場します。さらにさらに大問8ではスピーチ(発表)の長文を読ませた後、そのまま話し合いの対話文を読ませて、最後は恒例の大問9は、そのまま対話文なんです。

 

このように対話と無関係な大問が、まず存在しません。そして10ページある中で対話文が載ってないページは3ページだけです。1ページはリスニングなのでそもそも文が載っていないことを考えると、いかに千葉県が対話文を重視しているかわかるでしょう。

 

まさに、出題方針通りの展開です。

対話文大好き。それが千葉県の公立高校入試の英語の問題の特徴なのです。

出題方針分析2へつづく