2020年に大学入試改革が行われましたが、当初いろいろ言われていた割には、大きな変化があまり感じられなかったようにも思います。どうも学習指導要領が新しくなる前だからか、結局色々と先送りする形になったようです。
さて、今日はですね。「2020年の大学入試改革で本格的に変わったのは何か?」という話と、「今後の高校教科書改訂スケジュール」そして、「それに伴う2025年新課程入試」について、ざっくりと書いていきたいと思います。
まず、2020年から変わったことです。
一つ目は、簡単に言えば、「試験一発で合否を決めずに、いろいろな側面から生徒を評価しましょう」ということです。つまり、学力の3要素からバランスよく評価しなさいということです。
で、その影響により、2021年以降、「総合型選抜や学校推薦型選抜での入学者の割合が、一般入試での入学者の割合を超える」という現象に拍車をかけたのでした。
で、二つ目なんですけど、それは、共通テストですね。
たとえば、英語は、センター試験の頃とは全く異なる入試になってしまいましたし、数学はやたらと難しくなりました。これは、センター試験のときは知識技能を測る、つまり基本を確認するテストだったのが、共通テストになって、その性質が変わってしまったということです。これも学力の3要素が大きく絡んでいます。知識技能に加えて、思考力判断力表現力も測るテストになったということです。
まあ、今のところ、目立つところでは、そのくらいのことで済んだなという感じなんですけど。それだけでも、以前のセンター試験に比べると受験者の負担は大きくなりました。
しかし、実は大学入試改革はこれで終わりというわけではございません。
以下の表を見てください。
この表からもわかるように、現高校1年生から、高校の教科書改訂が始まります。2022年は高1のみ改訂です。彼らが、高校2年生になると、合わせて高2の教科書も改訂されます。そして高3になると高3の教科書も改訂されます。
で、ただ単に教科書だけが改訂されるのではなく、その背景には学習指導要領の改訂というものがあります。そして、新学習指導要領には、今までの指導要領と比べ大幅な変更があります。
そうです。科目が違うんですね。例えばすでに、高1の時点で、これまで「国語総合」だった科目が、「現代の国語」と「言語文化」に分かれました。「世界史A」とか「世界史B」、「日本史A」とか「日本史B」もなくなり、「歴史総合」と「世界史探究」と「日本史探究」という科目になりました。
その他にもいろいろあるんですが、新科目として「公共」や「情報」なんてもの出てきました。
つまり、全体的に科目数が増えているんですね。新課程では。
さて、ここからが問題です。
新学習指導要領に基づく新課程での授業を高校1年生から受けてきた、現高1生のみなさんが、受験する2025年の春の入試は、当然、新課程に基づいた入試になるわけです。
たとえば、共通テストで、今まで「日本史B」で受験していた生徒たちは、2025年からは「歴史総合+日本史探究」という組み合わせで受験しなくてはいけません。これは、現状で言ったら、「日本史A+日本史B」で受験するようなものです。言い換えると、今まで教科書一冊分の勉強で済んでいたのが、2冊分学ぶような感じになってしまうということです。
要するに、2025年からの新課程入試は、現行の共通テストよりも、さらに負担感が増すというわけです。
保護者の方の中にはセンター試験を受けた方もいらっしゃると思いますが、共通テスト自体でも負担が増し、2025年からの新課程に基づく共通テストでもさらに負担が増えるというイメージを持ってもらうといいと思います。
そして特に新課程入試1年目にぶち当たる、現高校1年生は大変かもしれません。何せ前例がないわけですから。
はい、じゃあ、具体的に、詳しく、どんなところで負担が増しているのか?をもう少し詳しく話したいんですが。それはまた別の記事で書きます。